リーマンショックからの米国での就職、ビザ・グリーンカード取得に至る経緯まとめ。

Lehman shock私がニューヨークのロースクールを卒業したのは、2009年のリーマンショックの直後でした。

在学中には様々なインパクトのある出来事が起こり、ウォールストリートでリーマンブラザーズの破綻、オバマ大統領の就任、当時住んでいた家の目の前のハドソン川で、USエアウェイズの飛行機が不時着する事故があったり・・・と、まさに激動の年でした。

そこで今回は、苦境の中でスタートしたアメリカでの就職活動、ピザの取得、さらにはグリーンカードの取得までのアメリカ生活の歩みをまとめてみました。

就職氷河期に直面!

jobせっかく勉学に励みロースクールを卒業したのも束の間、リーマンショックの直後の不況に遭遇し、日本人はおろか、アメリカ人でさえも就職先が見つからない大不況の世の中となりました。

周囲の友人の中には、他に選択肢がないので、ロースクールを出てすぐに自分の法律事務所を構えて、とりあえず細々とやっていく、という人も多くいました。

私もその例外でなく、まずはニューヨーク州の弁護士の資格試験に向けて、すべてのエネルギーを注ぐことを決意しました。

そんな時に日本へ一時帰国する機会があり、アメリカに帰る際に友達がいるカリフォルニアに数日寄ってから、ニューヨークに戻ることにしました。

日本からロサンゼルス行きの飛行機に搭乗する際に、航空会社の計らいで、たまたまビジネスクラスにアップグレードされることになりました。

そのビジネスクラスの隣の席に座っていたのが、現在のボス(今となってはビジネスパートナー)のW氏だったのです。

就労ビザが却下される!

アメリカ人のW氏はとてもフレンドリーな性格で、初対面の私に飛行中ノンストップで会話をしていたのを覚えています。

ロースクールを卒業して弁護士試験の勉強をしていることや、この先アメリカに住み続けるには就労ビザが必要など話していました。

飛行機を降りる頃には、「ハワイの知り合いの法律事務所を紹介してあげるよ」と言われ、連絡先を交換しました。

藁にもすがる思いで、早速ハワイの法律事務所に履歴書を送りました。

その法律事務所とやりとりをする中で、就労ビザ(H-1B)の申請まで至りました。

しかしながら、移民弁護士との相性がイマイチだったこと、当時はまだ弁護士の資格を持っていなかったので、”paralegal”や “Law clerk”などのタイトルで申請をしたため、就労ビザに必要な条件や能力を認められず、ビザは却下されました。

念願のH-1Bビザの取得

リーマンショック後に、就労ビザが必要な外国人を雇ってくれる会社や事務所はほとんどないことは理解しつつも、やはり就労ビザが却下され落ち込む日々でした。

そんな中、飛行機の中で出会ったW氏が、「それならうちの会社に来ないか」と言って下さりました。

そのころちょうどニューヨーク州の弁護士資格試験に合格し、再度就労ビザを申請することができ、やっと念願のH-1Bビザの取得に至りました。

H-1Bビザの取得は難しい!

visa私がここで強調したいことは、H-1Bビザ取得は決して簡単ではありません。

毎年発行される数が限られていることと、申請する時期が決まっているので、そのタイミングを逃すと、次の年まで待たなければならないのです。

そして「特別な能力」、「なぜ他のアメリカ人ではなく私なのか」を証明しなければなりませんが、その証明を学歴とマッチさせる必要があります。

個人的には、理系や技術系のバックグラウンドや、弁護士など専門的な学歴やライセンスがあると、かなり強いと思います。

ただし雇用主である会社が一定以上の給料を払う必要があり、万が一その仕事を解雇になったり、辞めた場合は、新たにビザをサポートしてくれる雇用主を探す必要があります。

つまりアメリカに住み続けたい場合は、就労した会社にある程度縛られることを理解しておく必要があります。

ちなみにH-1Bビザは3年間有効で、延長の申請をすることで更に34年間、合計6年間有効となります。

私は延長の際も、移民弁護士を雇い、しっかりと手続きをしてもらいました。

3つの移民弁護士事務所を経て、ようやくたどり着いたのが、南カリフォルニアにあるTaki Law Officeです。

就労ビザの延長申請から、グリーンカードの申請、承認まで、長期に大変お世話になった事務所で、丁寧かつ的確なアドバイスにとても助けられました。

永住権の申請

H-1Bビザが延長されホッとしたのも束の間で、今度はH-1Bビザが失効した時を見据えて、早くもグリーンカード(永住権)の申請の相談を始めました。

私が「EB-2」という雇用ベースの移民ビザに該当したのも、ロースクールを出て修士という学位があり、ニューヨーク州の弁護士資格があることで、プロフェッショナルだということを証明することができた点は少し優位に思いました。

申請手続きを始めて、無事に永住権を取得するには約2年の歳月を要し、やはり早い段階からの準備がおすすめです。

大使館での面接、念願の永住権の取得

interview永住権の申請には大使館と面談が必要で、私は東京の米国大使館での面接を選びました。

とても怖そうな女性の面接官にあたり、提出した莫大な書類をパラっとめくって、一つだけの気に食わない内容を見つけたようでした。

そしてその場で却下=落とされ、再度書類を提出するように言われ、目の前が真っ暗になりました。

その一つの書類をアメリカから取り寄せるのに1ヶ月かかり、再度面接の予約をすると、今度は何も質問をされず、あっさりと永住権ビザが発行されました。

大使館を出て帰り際にいままでの苦労や努力が思い出されて、安堵の気持ちが高まり、涙が出できたことを今でも覚えています。

面接の数週間後にアメリカに必要な書類を持って入国をし、その後1か月以内に念願のグリーンカードが送られてきました。

短い期間が記載された永住権もあるようですが、私のものは10年間有効と書いてありホッとしましたが、これからが本当に意味でのスタートだと身の引き締まる思いがしました。

まとめ

永住権があれば、アメリカ本土に限らず、ハワイ州でも住むことができ、就労ビザの時のような縛りがないので、どのような職業にも就くことができます。

学生ビザからスタートしたアメリカ生活を考えると、とても長い道のりでしたが、就労ビザの申請が2回も却下されても、面接に落ちても、最終的に諦めなかったことが現在の結果を得ることができたのだと思っています。

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